2023/07/28 10:42


昨年の半数以上の討ち死にを経験し、正直迷った。
しかし、まだ全てをやり尽くしたわけではない。あと一本で辿り着ける世界がそこにあるかもしれない。そう考えもした。

これまでの結果でいくと、メロンには当たり外れがあるし、同じハウス内でも味がまばらでなかなか自分の表現したい味にならない。しかめ毎年の天候に出来が左右される。天然の魚の世界ではよくあることだがこれではブランドとしては成り立たない。

そこで、もう一度あらゆる学問の面からアプローチし作戦を練った。そこで編み出したのが贅沢な自作液肥と葉面散布だ。

これまでも試したことはあるが、与えるタイミング、メロンの木の仕立て方によって効果があるとは言えなかった。これらを加味した結果。これまで13度であった糖度は16度をマーク。50玉くらい自分で食べ、100玉くらいお使い物にしたがハズレがない。メロンにはハズレがあると言う常識を覆したのが今作であった。

そして実質にもこだわった。これまで4時に収穫だったが、2時にした。2時から4時には切り終えないと、朝日の僅かな温度上昇によって玉の水分を葉が吐き出して実が緩んでしまうのだ。

かつて根魚を極めるため闇夜の2時に海へ潜り、銛を引いたが、この世界でも同じことをするとは少し笑いが込み上げる。

今年の結果によってメロンの研究は殆んどやりつくした状態となった。来年、あと残された僅かな課題で研究はひとまず終了となるだろう。